
飼育問題考
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たんぱく質欠損
ヒナ鳥のたんぱく質必要量は,その大きさに比例する。肉や羽毛は主としてたんぱく質から成り立ち,大きくなるにしたがいその必要量は増大する。
野生状態では,たんぱく質に富んだ昆虫を雛に食べさせるのに対して,飼育下では穀物の種子がたんぱく質の供給源である。カナリーシード,ミレットでさえ約14%しか含まれていない。成長の良い雛は4週間たったら,孵化時の12〜15倍の重さになる。
それに加え,雛は小さい頃には泌乳(クラップ・ミルク)の形で高品質のたんぱく質のみで大きくなる。大きくなるにつれて種子量がだんだん多くなるが,この泌乳は約60%のたんぱく質と30%の脂肪からなっている。泌乳を産生するメスの能力は遺伝的な面をぬぐいきれないが,1回目の巣引きで使い果たし,数回目の雛には余りのたんぱく質がメスの体内に残っていないことも考えられる。数回目の抱卵中にたんぱく質資源が与えられれば回復することが考えられるが,メスは産卵にも大量のたんぱく質を消費する。ブリーダー達がメスが立ち上がるという言いかたで表現するのは,泌乳(クラップ・ミルク)供給能力の回復のこととも考えられる。
コロと呼ばれる脱羽の鳥の原因がこの泌乳の量が足りなかった雛,たとえば,数回目の巣引きの雛,メスが巣引き中に弱ってしまった雛に多く現れることから言われている。もちろん,病気以外の原因の脱羽のことですが,動物たんぱく質の投与を考えてはどうでしょう。
毛抜き
雛の羽毛が抜かれるのは孵化後10日ぐらいからが多いので,原因として上の
たんぱく質欠損も原因の一つだと考えていますが,さだかは解かりません。
ただ,これも数回目巣引きで初めて行われることも多いのは事実です。主に,
ミネラル不足が言われています。同じ原因ではないかと考えられるのが,
メスのオスへの攻撃です。もう少し早くに,孵化後5日くらいにオスの頭の羽毛を
抜いてしまった事例も報告されていて,よく,メスの発情といわれていますが,
私はたんぱく質の欠損,ミネラルの不足によるメスの体力の低下が原因だと
考えています。対処方法として,1ガロンの水に耳掻き1杯の塩を入れるだけで,
毛引きがただちに止まったと報告されています。
食卵
メスの食卵に関しては,これもたんぱく質の欠損,ミネラル不足,もちろん,
カルシュウム不足,そして,カルシュウムと相関関係にあるビタミンD3の
不足が考えられます。ビタミンD3に関しては,日光に当たらなければ摂取
できないもので,飼育環境とくに,換気に気をつけてください。これも,
メスの体力の低下が原因だと考えています。また,オスの食卵癖の場合は偽卵,
もしくは銀杏を使います。第1卵を生んだ際に取り替えます。だめなら,
第2卵も変えます。そのうちに収まります。
インブリーディングとアウトクロス
インブリーディング ⇒ 密接に血縁のある一族のなかの上質の鳥同士を掛ける事。
アウトクロス ⇒ まったく血縁関係にない鳥同士を掛ける事。
インブリーディングは系統の良い鳥を入手して,その子に親子かけ,孫かけして,
良い系統を残すために行われます。結果できた子の中から,良い系統だけを選び
再び交配します。良い系統を作出,固定するにはこれしか良い方法が無いと
言われています。濃くなりすぎた際に初めて,アウトクロスを使います。
このときには,今いる系統の良い鳥よりも良い鳥を探さなければ,今までの
インブリーディングの意味が消されてしまいます。雑種強勢が起こるからです。
ですから,インブリーディングの系統を数系統もち,その中でアウトクロスを
行うのが良いとされています。部分的アウトクロスを行うのです。
よく,素晴らしい鳥同士を交配し,良い系統を作出するラインブリーディングと
比較されますが,インブリーディングより,良い系統が固定出来ないといわれてます。